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お宝アーティストご紹介

ドーナッツたちのコラム

悩ましき翻訳の日々
どこにも依りかからず、しなやかに立つ芸術家。
シルヴァーノ・アゴスティのご紹介
  シルヴァーノ・アゴスティ氏について誰かに語ろうとすると、必ずどこかで行き詰ってしまう。どうしてだろう。60年代初頭から頭角を現し、40年以上を経た今でも次回作に思いを馳せるような映画監督だ。映画への情熱とアイデアと遊び心は生半可なものではない。彼の存在を知ってまだ日の浅い僕が、おいそれと知った風な口で勝手なことを語るのは無礼というものだろう。とはいえ、語らないと何も始まらないわけだから、手探りではあるが、とにもかくにも口火を切ってみたいと思う。



  幸いHPでの紹介なので、ある程度情報がたまってくれば更新すればいいし、間違いが見つかればきちんと訂正して謝罪することもできる。何だか弱気な態度に思われるかもしれないけど、芸術家を調査して、その人の作品や姿勢を適切に評価するのはとても困難なものだ。しかもそれが現役の人ならなおさらだ。さらに言えば、僕たちがここで俎上にあげようとしているのは、日本ではまったくもって知られていないアゴスティ氏なのだ。本や雑誌はおろか、インターネット上にも日本語で書かれた文章はまったくない。だから、僕たち自身もその人となりや作品を徐々に知っていくことになるし、閲覧者の皆さんも、このODCのサイト上でその全体像をぼちぼち掴んでいってもらえればと思う。正直なところ、彼に対する僕たちの評価はまだ定まっていない。でも、急ぐ必要はないはずだ。少しずつ、しかし着実に情報を蓄えては公開していき、じっくりと判断すればいいことなんだろう。多少の回り道はするかもしれないけれど、先入観をできるだけ排除した真摯な態度で、このコーナーを作り上げていくつもりだ。アゴスティ氏のような世間の常識や固定観念にとらわれない芸術家を理解するには、そういう方法がぴったりくるだろうから。



  アゴスティ氏は、映画製作を柱にしてはいるけれど、作家という顔も持っていて、これまでに数多くの小説を書き、近年ではストレーガ賞という高名な文学賞にもノミネートしている。映画と文学。彼を総体的に捉えるには、そのどちらを軽視することもできない。しかも彼の場合、この二つのフィールドはそれぞれに独立したものとして存在するのではなく、自在に行き来しては刺激を与え、相互に反応させあうようなものなのである。ジャンルの垣根をひらりと飛び越え、映画にも文学にも同じスタンスで向かい合うアゴスティ氏の姿というのは、僕らのようなグループにとってはとても刺激的だ。
自ら経営するローマ市内の映画館にて

  どのように受け入れられるかはわからないが、一人でも多くの人にアゴスティ氏の活動について知ってもらいたいと願ってやまない。

  <文:ポンデ雅夫>


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