【第一幕】
(原文2ページ)
(ピーナちゃんが舞台に登場)
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| 娘 |
ママ、ベッポ、いいアイデアがあるの。
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| 息子 |
いいアイデア? |
| 娘 |
パパの隠した賞金の見つけ方がわかったのよ! しかも、すっごい簡単! |
| 母親 |
簡単って言うけどね、パパが死んでから4年間、あらゆる手立てを尽くしてきたのに、ことごとく失敗してるのよ、私たちは。 |
| 息子 |
まぁまぁ、お姉ちゃんが簡単だって言うんだから、耳を貸してみようよ |
| 娘 |
それじゃあ、お耳を拝借。よくかっぽじって聞いてね? かっぽじったかしら?
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| (原文3ページ) |
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| 息子 |
今朝、耳のお手入れをしたから、ぼくは大丈夫だよ。で、どんなアイデアなの?
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| 娘 |
死者と交信するのっ! |
| 息子 |
え?! 死者と交信? 何かの間違いでしょ? |
| 母親 |
なになに? 死者と行進?! |
| 娘 |
ママ…、「行進」じゃなくて「交信」…。テーブルの周りに座って、みんなで手をつなぐ。そして、パパの霊を呼び出すのよ。 |
| 母親 |
なるほど、そしてパパが現れてワインでもひっかけながら、「おれは賞金をリンゴの木の下に埋めたぞ」とかなんとか言うわけね。 |
| 娘 |
え? ほんとにあそこにあったりするの?
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| 息子 |
それなはいよ、ぼくが何度も庭中を掘り起こしてみたけど、なんにも出てこなかったもの。死者と交信だなんて、お姉ちゃん、真に受けちゃダメだよ。 |
| 母親 |
ちょっと待って。わたし、まだピーナちゃんが何を言ってるのかよくわからないんだけど。 |
| 娘 |
霊媒師に頼むの。 |
| 母親 |
レイバイシ? |
| 娘 |
霊媒師っていうはね、死者と話すことができる人よ。 |
| 母親 |
死んだ人が話をするの?
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| 娘 |
もちろん。 |
| 母親 |
ママ、なんだかコワいわぁ…。死んだ人が話すだなんて。 |
| 息子 |
やってみる価値ありそうだね。でも、どうやって霊媒師を見つける? |
| 娘 |
それは簡単よ! 実はね、チャバッタさんの家では、週に2回、死んだお父様を霊媒で呼び出しているんですって。 |
| 母親 |
週に2回だけ? どうして? 他の夜は霊界で飲み会でもしてるのかしら…。 |
| 娘 |
それは知らないけど、週に2回なんだって。とにかく、幽霊は霊媒をすれば呼べるのよ。 |
| 息子 |
じゃあ、ウチもその霊媒でパパの霊を呼び出してもらえないかな? |
| 娘 |
それがね! 今夜、ウチに来てくれることになっているの。どう? すごいでしょ? |
| 息子 |
え? もう決めちゃったの?
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| 娘 |
パパの賞金を手に入れるためよ。大丈夫、きっと上手く行くわ。 |
| 息子 |
お姉ちゃんらしいや。確かに賞金があれば、家のローンも返済できる。それに、お姉ちゃんも、ほしがってた洋服が買えるものね。
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| (原文4ページ) |
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| 娘 |
ベッポだって、喫茶店へ行ったりとかサッカーの試合を観に行ったりして、お金を使うでしょう? それにママだってそうよ。宝くじにはまっちゃって、スズメの涙ほどしかないパパの年金まで使っちゃうんだから。 |
| 母親 |
それがね、病気の治療費も必要なってきちゃったのよ。先週、病院に行ったら、お医者様が「テレーザさん、子宮にタコがあるんですわぁ」って言うのよ。海で泳いだわけでもないのに、どうしてタコがいるのかしらね…、不思議だったわ。でもとにかく、お金が必要なのよ。なんとしてもパパの賞金を見つけないと。マリアばあさんみたいに失敗したくないし。 |
| 息子 |
マリアばあちゃんが何だっていうの? |
| 母親 |
だって、あのばあさんは毎週土曜の夜に、教会の祭壇の前でお花を供えてこう祈るらしいの。「神しゃま、明日の宝くじで賞金を当てたいのっしゃ。よろしくお願いしましまし。賞金を手にした暁には、もっと上等な花をお供えしましから」って。 |
| 息子 |
それが? |
| 母親 |
だから、当たらないのよ。ばあさんは次の土曜にも教会へ行って、また祈るだけ。そして、ある日のこと。神さまもうんざりしたんでしょうね。ついに折れたのよ。 |
| 息子 |
神さまはマリアばあちゃんの話を聞いてくれたの? |
| 母親 |
そうらしいの。神さまは少しイライラしながら言ったんですって。「マリアよ、まずは宝くじの券を買いに行きなさい。私に祈るのはその後だ」って。 |
| 息子 |
ねぇねぇ、ちょっといい? その霊媒ってさ、なんか難しいんじゃないの? |
| 娘 |
ところがどっこい、かんたんなの。丸いテーブルがあれば、それでいいの。 |
| 母親 |
じゃあ、安くつくわね。 |
| 娘 |
霊媒をやってもらうのにお金がかかるだろうけど、そんなに高くはないんだって |
| 息子 |
それじゃあ、ママも霊媒に賛成なんだね? |
| 母親 |
パパの賞金のためならしょうがないじゃない。さっそく、庭のテーブルを持ってくるわ。 |
| 娘 |
じゃあ、あとは霊媒師を待つだけね。日も落ちたし、もうすぐ来るはずよ。 |

次回はいよいよ霊媒師が登場。3人を妖しげな世界へといざないます。ご期待ください。
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